ファイルシステムは /
をルート (根) とする木構造として考えると視覚的に理解しやすいでしょう。
ルートディレクトリにある
/dev や /usr、
その他のディレクトリは枝に相当し、
それらには、/usr/local
などのように、さらに枝分かれすることができます。
さまざまな理由がありますが、
ディレクトリをいくつかの異なるファイルシステム上に構築するのが良いでしょう。
たとえば /var には、
log/ や spool/
など、さまざまな種類の一時ファイルを置くディレクトリがあるため、
あふれてしまう可能性があります。
ルートファイルシステムをあふれさせるのは得策ではありませんので、
普通は /var を /
から分離します。
また、次のような場合も、ディレクトリツリーを 別のファイルシステムに置く理由として良くあげられます。 それは、たとえば物理的に別のディスクにディレクトリツリーを置く場合、 ネットワークファイルシステム (Network File System) や CDROM ドライブのような別の仮想ディスクに置くという場合です。
/etc/fstab に書かれているファイルシステムは
(noauto オプションがなければ)
起動プロセスの途中で
自動的にマウントされます。
/etc/fstab ファイルは、
次のような書式で書かれた行のリストになっています。
device/mount-pointfstypeoptionsdumpfreqpassno
deviceデバイスの名前 (存在していなければなりません)。 「デバイス名」 に説明があります。
mount-pointファイルシステムがマウントするディレクトリの名前 (存在していなければなりません)。
fstypemount(8) に渡されるファイルシステムタイプ。
FreeBSD ファイルシステムのデフォルトは
ufs です。
options読み書きするファイルシステムには
rw、読み込み専用のファイルシステムには
ro を、必要な他のオプションの前に指定します。
よく使われるオプションは noauto で、
起動時にはマウントされないファイルシステムに使います。
その他のオプションは mount(8)
マニュアルページに載っています。
dumpfreqこれは dump(8) が使うもので、 どのファイルシステムにダンプが必要なのかを決めます。 この項目がなければ、0 であるものとみなされます。
passnoこれはファイルシステムをチェックする順番を決めます。
ファイルシステムチェックを飛ばしたいファイルシステムには、
passno を 0 に設定してください。
ルートファイルシステム
(どれよりも先にチェックしなければなりません)
は passno を 1 に設定してください。
他のファイルシステムの passno
は 1 以上に設定してください。
同じ passno のファイルシステムがあった場合、
fsck(8) は可能であれば並行してファイルシステムのチェック
を行なおうとします。
/etc/fstab
ファイルの書式やオプションに関しての詳細は、
fstab(5) をご覧ください。
mount(8) コマンドは、 ファイルシステムをマウントするために使われるものです。
基本的には、次のように使います。
#mount device mountpoint
mount(8) マニュアルページにはたくさんのオプションが書かれていますが、 いちばんよく使われるのは次のものです。
-a/etc/fstab
にある全てのファイルシステムをマウントします。
例外は 「noauto」 の印がついているものと、
-t フラグで除外されたものと、
すでにマウントされているファイルシステムです。
-d実際にマウントシステムコールする以外のすべてのことをします。
このオプションは -v
フラグと組み合わせて使い、
mount(8) が実際なにをしようとしているのか調べるのに便利です。
-fクリーンでないファイルシステムを強制的にマウントします (危険です)。もしくは、ファイルシステムのマウント状態を 読み書き可能から読み込みのみに変更するとき、 書き込みアクセスを強制的に取り消します。
-rファイルシステムを読み込み専用でマウントします。
これは ro (5.2 より前の
FreeBSD では rdonly です)
引数を -o
オプションに使うのと同じです。
-t
fstypeファイルシステムを指定のファイルシステムタイプでマウントします。
または、-a を使った場合、
指定したタイプのファイルシステムのみマウントします。
デフォルトのファイルシステムタイプは 「ufs」 です。
-uファイルシステムのマウントオプションを更新します。
-v詳細な出力にします。
-wファイルシステムを読み書き可能にマウントします。
-o には、
次のようなオプションを複数カンマで区切って指定します。
以下に挙げるのはその一部です。
そのファイルシステム上のバイナリの実行を禁止します。 セキュリティのために有用なオプションです。
そのファイルシステム上の setuid や setgid フラグを解釈しません。 これもセキュリティのために有用なオプションです。
umount(8) コマンドは、パラメータとしてマウントポイントの一つ、
デバイス名、もしくは -a や -A
といったオプションを取ります。
いずれの形式でも -f で強制的なアンマウントを行ない、
-v で詳細な出力を出します。
ただしほとんどの場合、-f は使わないほうがよいでしょう。
強制的にファイルシステムをアンマウントすると、
計算機がクラッシュしたりファイルシステム上部のデータが
破壊されたりする恐れがあるためです。
オプション -a と -A
はマウントされているファイルシステムすべてをアンマウントするのに使います。
-t にファイルシステムタイプを指定すると、
指定されたものだけがアンマウントされます。
また、-A を使うとルートファイルシステムはアンマウントしません。
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